ICT Diary

Network(主にCisco系)、Server(RedHat系)、Program(適当)を気まぐれにUPしていく。

AWS EC2 インスタンスタイプについて ~概要, CPUクレジット, ベースライン使用率等, Unlimited~

インスタンスタイプとは

インスタンスの作成時に指定するCPU, メモリ, ストレージ性能, ネットワーク性能の組み合わせ。
用途ごとに[インスタンスファミリー]として以下の7種類に分けられており、選択したファミリーの中から要件にあった性能のインスタンスタイプを選択する。

インスタンスファミリー種類

ファミリー 分類 特徴
M, Mac 汎用 バランスが取れたインスタンスファミリー。
T 汎用 (バーストあり) ※1 バランスが取れたインスタンスファミリー。
一時的に制限以上のCPU使用出来るバーストが可能
C コンピューティング最適化 CPUの性能が高いインスタンスファミリー
R, X, U メモリ最適化 メモリの性能が高いインスタンスファミリー
P, G, F 高速コンピューティング GPUの性能が高いインスタンスファミリー
I D, H ストレージ最適化 ストレージ性能が高いインスタンスファミリー
Hpc HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)最適化 深層学習等、計算負荷が高い用途向けのインスタンスファミリー

ベースライン使用率

バーストが可能なT系のインスタンスタイプにはvCPUの論理的な性能上限である[ベースライン使用率]が決められている。
短時間であればベースラインを超えたvCPU本来の性能での処理も可能ではあるが、
長期間ベースラインを超える負荷の処理を行うとCPUクレジットが枯渇し、処理性能がベースラインで決められた値で頭打ちとなる。

CPUクレジット

バーストが可能なT系のインスタンスタイプは時間経過で、vCPUあたりの[ベースラインを越えて処理が可能となるチケット]であるCPUクレジットが付与される(蓄積可)
CPU使用率がベースラインを下回っている状態の時間経過で、1時間ごとに各インスタンスタイプに応じたCPUクレジットを獲得出来る
1時間ごとに獲得可能なクレジットや、未使用クレジットの蓄積最大上限はインスタンスタイプにより異なる

ベースライン&CPUクレジット図解

# vCPU 1Core, ベースライン使用率10%の場合

CPU使用率
            100%|
                |
                |       /\                        /|                           |
                |      /  \                      / |                           |
                |     /    \      /\      /\    /  |                           |
                |    /      \    /  \    /  \  /   |                           |
ベースライン  10%|---/--------\--/----\--/----\/----|___________________________|
                |  /          \/      \/                                       |
                | /                                                            |
処理時間       0%|/_____________________________________________________________|

                |<---------------------------------><-------------------------->
                            CPUクレジットあり               CPUクレジット枯渇
                  (ベースラインの10%を越えて処理可能)   (ベースラインの10%で頭打ち)

Unlimited モード

通常T系のインスタンスタイプでベースラインを越えた負荷の処理を続けると、CPUクレジットが枯渇しベースラインで性能が頭打ちになる。
[Unlimited]を有効にしたインスタンスでは、CPUクレジット枯渇後もベースライン以上の性能を出すことが可能になる。
ただし、追加料金が発生するため別のインスタンスタイプと比較して、どちらがコストパフォーマンスが高いか確認することを推奨する。